11の1〜5,甲14〜18,乙4,32,原審 における被控訴人代表者)及び弁論の全趣旨によれば,被控訴人は,本件ライセ ンス契約が解約となった平成19年11月10日以降も被控訴人商品の販売を続け たこと,また,ジャポン社は,被控訴人の関連会社であるところ,同社も,被控 訴人のウェブページにおいて,少なくとも平成20年8月ころまで被控訴人商品を 紹介してその販売をしていたことが認められる。
この点につき,Aは,平成20年9月8日実施の原審における本人尋問において, 被控訴人商品はその半年前くらいから売れなくなり,被控訴人には被控訴人商品の 在庫はないと供述する一方で,被控訴人は,ジャポン社が被控訴人のウェブページ において被控訴人商品を販売していたと主張しているが,上記認定のとおり,ジャ ポン社が被控訴人の関連会社であり,ジャポン社が被控訴人のウェブページにおい て被控訴人商品を販売していたことのほか,被控訴人による販売とジャポン社によ る販売とが区別されることなく,被控訴人による売上げとして売上高一覧表(乙3, 4)に計上されていると窺われること等の事情に照らすと,ジャポン社による販売 は実質的に被控訴人による販売と同視して差し支えなく,これを同視し得ないとし ても,本件においては,ジャポン社による販売については,被控訴人からジャポン 社に販売されたものがそのままジャポン社から第三者に販売されているものと認め るほかなく,この認定を妨げる証拠はないから,被控訴人は,次に認定する被控訴 人商品の売上げにつき,その債務不履行責任が問われるべきものである。
そこで,被控訴人商品の売上げについてみると,証拠(乙3,4,34)によれ ば,その売上高は,平成19年11月が122万5732円,同年12月が153 万3612円,平成20年1月が105万8274円,同年2月が147万678 0円及び同年3月が111万4725円と認められるから,平成19年11月11 日から同月30日まで(20日間)の売上高は,按分計算によって,81万715 4円(円未満切り捨て。
以下同じ)と推定されるほか,平成20年4月から同年8 月までの売上高については,これを証する書証が提出されていないので,その直近 である平成19年11月から平成20年3月まで(152日間)の上記売上高の合 計640万9123円を基にその対象日数によって計算すると,同年4月及び同年 6月の売上高はそれぞれ126万4958円,同年5月,7月及び8月の売上高は それぞれ130万7123円と推定される。
(3) 本件ライセンス契約は平成19年11月10日をもって解約されているに もかかわらず,被控訴人がそれ以降も被控訴人商品の前記認定のとおりの売上げ (平成19年11月の売上げのうち,同月10日以前の売上げを除く。
)が可能で あったのは,控訴人応用技研から本件ライセンス契約に基づいて購入していた本件 抽出物を使用して,既に本件ライセンス契約に基づくものとしては許されなくなっ ていた被控訴人商品をその約旨に違反して本件ライセンス契約終了後も製造・販売 したためであったと認められるのであって,このような場合においては,被控訴人 は,少なくとも,本件ライセンス契約が被控訴人の債務不履行により解約されなけ れば支払わなければならなかった実施料相当額を,本件ライセンス契約の債務不履 行に基づく損害賠償として支払わなければならないというべきである。
破産債権の配当
破産債権の配当について,源泉徴収義務がないこと
(ア) 個別的執行手続及び滞納処分において源泉徴収義務がないこと
民事執行法による個別の財産に対する強制執行(以下「個別的執行手続」という。)においては,執行裁判所又は執行官(執行機関)が債務者の財産を換価した上で債権者に対する配当を行うし,国税徴収法等による滞納処分においても,税務署長その他の徴収職員が滞納者の財産を換価した上で債権者に対する配当を行う。
いずれの手続においても,債務者又は滞納者の従業員に対する労働債権に対して配当が行われることがあるが,その際,執行機関又は徴収職員が配当する金員から源泉所得税を徴収することはない。
その理論的根拠は,以下の2点にある。
a 源泉徴収義務は債務者が任意に支払をする場合に課されるものであるところ,配当は債務者の任意の支払ではないこと
源泉徴収制度は,支払者が支払をする際に支払に係る金員から税額を差し引いて徴収する制度である。
このような徴収は支払者が任意に支払う場合でなければ履行することができないから,源泉徴収義務は債務者が任意に支払をする場合にのみ課されるものである。
個別的執行手続及び滞納処分においては,債務者の意思に反して強制的に配当が行われるのであるから,源泉徴収義務は課されない(高松高裁昭和44年9月4日判決参照。)。
b 執行機関が債権者に対して負う配当義務は,執行債権の実体法上の性質が捨象された,いわば無色透明の手続上の債務であること
個別的執行手続上配当の対象となる債権は,配当手続において,いわば無色透明の債権であって,労働債権であるという実体法上の性質は捨象される。
すなわち,個別的執行手続においては,執行債権の確定手続と執行手続とは分離され,執行機関は執行債権の存否を問題とすることができない。
また,執行債権の実体法上の性質が労働債権であるとしても,執行法上は,一般債権に優先する一般先取特権の対象として考慮されるだけであり,労働債権であることが考慮されるわけではない。
これらの意味において,執行機関が債権者に対して負う配当義務は,執行債権の実体法上の性質が捨象された,いわば無色透明の手続上の債務であるということができ,この性質から,個別的執行手続における配当について源泉徴収義務は生じないと解される。
なお,前記認定の平成20年8月分は,本件ライセンス契約の当初予定されていた存続期間が 満了した後の売上げに係るものであるところ,それ以前の売上げと比べ,被控訴人 が約旨に反して被控訴人商品を売り上げた結果として異なるところはなく,その約 旨に反した売上げが本件ライセンス契約の存続期間を経過して行われた場合には, 控訴人応用技研が被控訴人の債務不履行責任を追及し得なくなると解されるべきも のではない。
そのように解さなければならないとすれば,被控訴人において,本件 ライセンス契約に基づいて控訴人応用技研から購入した本件抽出物を使用して,そ の存続期間経過後に,被控訴人使用品を製造・販売すれば,同控訴人に対する債務 不履行責任を免れることになるが,その不当であることはいうまでもなく,少なく とも被控訴人が被控訴人商品を製造・販売したと認められる平成20年8月まで, 控訴人応用技研に対し,債務不履行責任を負うというべきである。
そこで,控訴人応用技研の損害賠償額について検討すると,本件ライセンス契約 に基づく実施料の額は売上高の2%に消費税相当額を加算した金額であることから, 控訴人応用技研が被控訴人に損害賠償を求め得るのは,別紙第2表の各「金額」欄 記載の金額となる。
また,以上の損害賠償金に係る遅延損害金の始期は,本件ライセンス契約の債務 不履行に基づく損害賠償を求める場合であるから,控訴人応用技研の被控訴人に対 する催告によって遅滞に陥ると解されるところ,控訴人応用技研は,本件訴状をも って,その支払を催告しているにとどまる。
したがって,本件訴状が被控訴人に送 達された日であることが記録上明らかな平成20年2月21日までに既に発生して いる損害については,その翌日から遅延損害金の支払を求めることができるが,そ れ以降に発生する遅延損害金については,本件訴状であらかじめその支払が催告さ れているとしても,その各支払期限の翌日から遅延損害金の支払を求め得るにすぎ ず,さらに,被控訴人の各月ごとの売上げについては,その推計による算定分も含 めて月末までの合計としてそれぞれ発生しているものと認め得るにとどまり,これ を1日単位に分割して,毎日その分割額ずつが日々発生しているとまで認定し得る ものではないから,月単位で,被控訴人に上記賠償義務が認められるべき実施料相 当額の支払期限が到来するものと解される。
そうすると,控訴人応用技研は,被控 訴人に対し,別紙第2表の各「金額」欄記載の金額に対してその対応する各「遅延 損害金起算日」欄の年月日からの遅延損害金の支払を求め得ることとなる。
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